諸君、ごきげんよう。 私の名前はD 単なる大学生だ。 部活は詭弁論部に所属している。
しかし、曇りでじめじめしていたあの日に体験したことは単なる大学生とは思えないものばかりだった・・・・長かったようで短かったあの日。恐しいかったが愉快だった・・忘れるかもしれないあの日。
夜。
私は太宰治著の人間失格を読みながら大学から帰る途中だった 太宰治が玉川なら自分は鴨川で、と考えていると・・・
「ゴン!」(電柱に頭をぶつけた音)
「・・痛・・・」
私は尻もちをついてしまった。 どうやら小説に熱中しすぎて電柱に頭をまともにぶつけてしまったようだ・・・

「ついてないな・・・」
自分が悪いのに私は電柱にハつ当たりしようとしたが・・・どうも何かおかしい。 確かに電柱に蹴りを入れているはずだが全然手ごたえがない・・よく見ると足が電柱をすりぬけている。
「な・・・これは・・・まさか・・・」
「・・・幻覚かッ!」
足が電柱をすりぬけている事実に大して驚くこともなく何者かに幻覚を見せさせられていると思って
「誰だ!? 隠れないで出てこい!」
と言いながら1人でのた打ち回っている私を他人が見たら、「嗚呼、この人はもうダメだな・・・可哀そうに・・・」とでも思われていただろう。 しかし、その時は誰もいなかったのでしばらくのた打ち回り続けることができた。
いい加減踊るのが疲れたのでやめて、一休みしていると、

「やっと仕事か・・・」
と言いながら1人の男が地面から出てくるではないか。
男は背がかなり高く、周りの闇と反対の、全身白だった。 髪は黒く、目はサングラスで隠れている。

「だ・・だれだ貴様?! まさか貴様が私に幻覚をッ・・・!」
言い終わる前に男に襲いかかると、男は避けながら答えた。
「ん?幻覚なんて見せていない。 しかし、いきなり襲い掛かってきたやつは初めてだな・・」
そう言いながら、男は私の攻撃のようなものを避け続けた。


いくらたっても攻撃があたりそうもないので、私は諦めて攻撃をやめた。
「ハァハァ・・・で、貴様は何者だ?」
「その程度で息が上がるとはたいした事ないな」
「俺はあの世からの使いだ」
「あの世からの・・・可哀相に」
「それはお前もだろう?」
「・・・」
正論だから言い返せなかった。 しかし黙っているのもなんなので、話題を変えてみる事にした。
「で、あの世からの使いともあろう貴君が、何故ここにいるんだ?」
男の口からは予想していなかった答えが返ってた
「お前がしんだからさ」
「・・・・ほう?」
「後ろ下を見てみろ」
私は言われたとおりに見たが・・・なんと、私がうつ伏せに倒れているではないか。
「・・・これは・・・まさか本当か!?嘘じゃあないのか!?」
「オレがお前に嘘をつく謂れはない」
話を聞くと、足が電柱をすり抜けていたときにはすでに死んでいたようだ・・・しかし頭をぶつけた程度で死ぬとは・・・脆い者だ。
正直ショックを受けたが、この男の前でそれを見せるのも嫌なので、部活動で培ったハッタリをかますことにした。
「しかし・・・こんなに簡単に死なせてくれるとはな 感謝する」
「・・・?どういうことだ?」
「・・・元々、私はこの世の住人ではないのだよッ!」
「な、なんだってー!?」
「本来、あの世で暮らせるはずだったのに何かの間違いでこの世に生を受けたんだ。 だから死んでも本来いるべき世界に還るだけなんだよッ! ハーハッハッハ!」
自分でも、よくもまぁこんなにスラスラと言葉が出てくるものだと思った。 これだったら男をだませるんじゃあないのか、と考えたが
「顔が青い。 汗をかいている。」
自分の体は騙せなかった。
「・・・わかった。恐い事は認めよう。」
「しかし、認めても生き返るわけじゃあないだろう?」
私は、男が「ああ、そうだ」と言ってあの世へ連れて言ってくれると考えていたので、
「チャンスをやりにきた」
と言ったときには驚いた。
「何・・・! 貴君は死神ではないのか!?」
「誰がそんな事を言っている。 あの世からの使い=死神 は、誤解と偏見だ」
ああ、確かに。 と思ったのは一瞬で、次の瞬間にはそうやって生き返るのか聞こうとしていた。
「で、どうやって生き返るんだ?」
「この世とあの世の間にある(その世)と呼ばれる場所で冒険して、目標を達成しろ」
「ちなみに目標は人によって違う」
ネーミングセンスのない世界だ。 しかし気になる事があった。
「人によって・・?なら他に人がいるのか自分と同じようなヤツが」
男「そうだ。ざっと数十万人はいる」
「やけに多いな」
「そりゃあ、人気のオン・・と、危ない危ない」
「? まぁいい、そういえば選考基準はなんだったんだ?」
「適当だ 順番に死んだやつから1000人に1人選ばれている」
「!・・・な・・なら、もう少し遅かったら1001人目だったのか?」
「そうだな・・・あと0,4秒早かったら999人目で、0,06秒遅かったら1001人目だったな」
「・・・運がいいのやら悪いのやらわからん」
死んだのは運が悪かったが、生き返るチャンスがあるのは運がよかったということか。 数10万人の999倍が今までにそのまま死んでいった人という事を考えると、こんなチャンスは一生に1度もない。
・・・当たり前だが。
「とりあえず、期限はいつまでだ?」
「お前の場合は・・・1年前後だろう」
「1年だと・・体が風化してしまうぜ!」
正確にはしないだろうが。 体に大量の石灰をかけられない限り。
「安心しろ、その世の1年はこちらの1日だ」
「成るほど それなら心配はない もし期限に間に合わなかったらどうなる?」
「体はこの場に残り、精神は永久に(その世)に閉じ込められる。」
「ふん、問題ないな して、どういけばいいのだ?」
強がりではなく実際に問題はない親は遠い場所にいるので私が死んでも知りようがない。 精精、最近連絡がないな程度だろう。
「中々良い精神を持っているな それなら向こうでもやっていけるだろう」
「その世への逝き方だが、お前の住んでいるアパートの近くに巨大な木があるだろう そこへ行けばわかる」
「成るほど・・では早速行ってみる ディ・モールトグラッツェ(どうもありがとう)」
私はイタリア語で一応男に礼を言いその木へ急いだ。 その木は落葉樹なのに冬でも葉っぱがついているということで《落ちない木》として受験生に一時期人気があったので場所は知っていた。 大学受験の時に私も数人の友人と行ったが、合格したのは私だけだったというオチがある。
幸い家を出てすぐに死んだので、それほどかからず木に着いた。
「この木か・・・どこから行けば・・・」
と、辺りを見回すと、入り口を教えてくれるものがすぐに見つかった。
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《その世》の入り口 幹からどうぞ l
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「・・・なるほど、行けばわかる、か わざわざご親切に」
N●△O■「《初心者にやさしい》が、キャッチフリーズですからね。今は知りません。」
「・・・まぁいい、では行くか」
そういって、私は《その世》(別名〔MapleStory〕)へ足を踏み入れた。
TO BE CONTINUED ・・・?
制作話 No.1
これは、文章力をUPさせる を理由に以前のブログにて発表した話を設定変更、改訂、追加したものです。 当時は大量のSSが必要になるということで、その場でくじけました。 ということで・・・。
この話はSSを抑え目に使い、後は文章で何とかする。 という小説スタイルで書きます。
当初はもっと短くしようとしましたが、短すぎるのもどうだろうか、ということで色々付け足していったらこんな長文になりました。 ありえないほど長文で、途中グダグダになっているかもしれませんが、適当に目を通しておいてくだされば幸いです。
第2話第も3話もこんなことが続くのか・・・?と聞かれたら、わかりません。とお答えします。 たぶん第1話よりは短いですよ。 第1話よりは・・・。

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